2年後の平成14年に、埼玉県所沢から東京都杉並区西荻に本社を移転しました。本社を移すことにしたのは「所沢ではエンドユーザーをお客にするのが難しい」と考えたからです。いろいろな場所を見てまわるうちに、「新宿から三鷹の間の中央線沿いで勝負しよう」という直感が働きました。偶然飛び込んだ吉祥寺の不動産屋から紹介されたのが西荻窪で、現在の事務所より小さい場所を借りました。
そこから本格的にエンドユーザー開拓に取り組むのですが、パソコンおたくみたいな社員が「これからはホームページです」と言い出したので、彼にまかせてホームページも作りました。なので、ホームページは結構早くから持っています。
その頃は、ある程度のレベルに達した職人には自分の工事部隊を作らせて独立させ、そこに私の会社から外注する形になっていました。自社で持っている工事部隊は3組ぐらいでした。外注の工事部隊に仕事を出して、そこから手数料(キックバック)で売上を作る。私が取ってきた仕事を外注に出して、それを管理する仕組みです。
エンドユーザーの仕事も徐々に増えてきましたが、まだ8割はB to Bでした。
業績がよかったので、銀行も「無担保で1億貸します」などいろいろ言ってきました。必要ないけれど、つき合いで借りたこともあります。手元にお金があると、どうしても使ってしまうものです。まったく反響のない広告も出しました。200万円くらいかかっても、「知名度があがるのでいいかな」と思っていました。いまから考えるとまったく無意味です。
そして次に考えたのが「上場」です。経営が苦しい建材屋などメリットのある会社を買収して大きくなるためにも上場をめざすそうと思ったのです。そのため資本金を3000万円に増資しました。
いろいろな勉強会にも参加し、監査法人にも相談しました。アドバイスをもとに自分なりに調べたり勉強してみると、やはり上場はハードルが高く、どうしたらいいか悩んだり、考えが錯綜してきました。